シン・エヴァ その2
前回の解釈はなかったことにするね。
以下ネタバレあり。
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当分2回目を観ることはなさげ。
のまま、マリのことを考えている今日この頃。
やっぱりマリの内面やバックグラウンド、シンジとの交流が欠落してるのは意図的なものよね。
何でそうしたのか。
観客にとってもシンジにとってもマリは未知の存在。未知数。
知らない相手。
同じエヴァのパイロットではあるから、名前を知っているだけのクラスメイトのようなものかな。
そんな人から一方的に待ち合わせの約束をされたら怖くない?
君はひととの一次的接触を極端に嫌うね、ってカヲルくんも昔ゆってた。
てゆうか、マリのやってることって行動としてはカヲルくんと同じ。
突然シンジの前に現れ、友好的な態度を示す。
でもカヲルくんには秘密があって……それはシンジにとってはあまり良い体験ではなかった。
辛い体験だった。
人との出会いは辛いことばかりだったんだ。
みたいな話が旧劇場版かな。
シン・エヴァでは前半のAパートでシンジはひとの優しさに触れる。
式波さんに手を引かれ無理矢理引きずられ、後からはアヤナミ(仮)がついてきて、第3村でトウジとヒカリにもてなされ、ケンスケからはほどよい距離感で置いておかれる。
栄養状態がヤバげだと察した式波さんからは、レーションを無理矢理咀嚼させられる……何て、暴力的な優しさ!
失語症に陥っていたシンジは、ようやく言葉を吐き出す……なんでみんなこんなに優しいんだよ。
みんな優しかったし、みんなが優しいのを知ってた。
けれど優しさを受け入れることができなかった。
そういう状態だった。
クライマックス、マリがどうしてシンジを迎えに行くと約束したのか理由は語られない。
観客も知らないしシンジも知らない。
怖い。なぞ。なんで。何が目的なの。
マリは見知らぬ他者。
彼女が優しいからなのかも知れない。
何か企んでいるのかも知れない。
傷つけられるのかも知れない。
ラスト、シンジには逡巡や躊躇の間があったような気がする。
そんな気がする。
もう1回観ないとちょっとわからないけれど。
ATフィールドは自己を守るための絶対領域。
そのために、自己の行動を阻害することもある。
エヴァ2号機は13号機への恐怖から動けなくなった。
ゲンドウは補完プロセスを進められなくなった。
駅のホームの青年シンジは動けないでいた。……ように見えた。
シンジはマリとともに駅のホームを駆け出す。
たいへん疾走感がある。心地好いシーン。あおはるかよ。
でもたぶんシンジの心には希望と背中合わせの絶望や失望への恐怖があるはず。
新たな他者との交流の中でまた嫌なことがあるかも知れない。ていうかある。ないはずがない。
反復。
それでも?
マリはシンジを外の世界へと連れ出してくれる存在であり、いつか何らかのカタストロフをもたらす他者でもある。恐怖に怯える。怯えながら……駆け出す。
みたいな。
だから前向きなエンディングを装ってるし実際そうなんだけれど、 やっぱりひねてるよね……。
あと、それが幸福かどうかって話でもない。
生きていること、生きていくことがイコール幸福なのであれば、そうなのかも知れないけれど。
やはり生きることは辛いのだ。
と思わせるのがエヴァってアニメなのかな。
#あ……最後マリに手を引かれるのも、Qで式波さんに手を引かれたことの反復なのか……。
#破では逆に、綾波さんの手を掴みに行ってるのか。
#序は、どうだっけ……。