カゼノハネSRC。

神於なつきは、今でもSRCでシナリオを書きたいなぁ、と思っているようです。

シン・エヴァンゲリオン

 初日観てきた。
 以下ネタバレ。

 

ラストシーンについて

 いくら何でもマリの存在がご都合主義過ぎやしまいか。
 絶対に迎えに行くよって約束されたとしても、あの2人の間には何ら交流もないわけですよ
 苦難苦闘を乗り越えて迎えに来たといっても、やることは他のエヴァを食べてパワーアップしての反則の連続じゃないですか。居並ぶヴンダー同型艦群も1人でやっつけちゃうし。
 ちょっと、これ、どういうことなの????

 

 で、ちょっと、考えてた。

 

 ラストシーン、駅のホーム。
 あれは、補完後の世界ではないのではないかと思ったわけですよ。

 (と、ここでチョーカーを外すシーンがあったことを思い出す。うーん……)
 (虚実ない交ぜということにはならないのかなあ。うーん……)

 

 ともあれ。

 新劇場版4作で語られたエヴァの物語は、青年シンジの内的世界、箱庭の世界だったのかなと思ったわけですよ。
 真希波・マリ・イラストリアスは、青年シンジが箱庭の世界に呼び寄せたデウス・エクス・マキナなんじゃないかなって。
 エヴァの物語の中で、希望を持ちたいと思ったら、マリのような存在が必要になるんじゃないのかなって。

 

 とりま、
 青年シンジは、駅のホームで誰かが来るのを待っていた。
 信じて待つことができた。

 と。

 

 反対側のホームについて。
 見知った顔がいくつかあったけれど、たぶん、青年シンジは彼らには興味はないのだろうと感じる。
 (というか、そもそも年齢が合わなくなってる)
 (彼らは少年少女のままに見えるのに、シンジは青年になっている)
 (エヴァの物語の中の彼らとは、また違う存在なんだろうなって)


 顔もぼやけていたように見えた。
 彼らはホームに滑り込んできた電車に乗って、どこか違うところへと向かうのだろう。
 そういうこと、なのだろう。

 いま青年シンジの前にある現実、手の触れられる現実というのは、彼の前に現れた1人の女性。
 どこかいたずらっぽい笑みの女性。
 エヴァの物語の中で真希波・マリ・イラストリアスの名前を与えられていた女性。
 (名前、呼ばれていたっけ……?)
 (ここのやりとり、台詞の内容をいまいち覚えていない……)

 

 マリをデウス・エクス・マキナにしたのは、シンジ自身。
 ただし、青年シンジがやったことなので、少年シンジは何も知らない。
 少年シンジにとっては知らない人でしかない。
 マリは、希望の象徴なのだろうな、と。

 

 希望を持つこと。信じること。待つこと。
 でも来ないかも知れない。また裏切られるかも知れない。

 不安、不安、不安、不安……。

 恐怖。
 でも、希望を持ちたい。
 だから、希望を持って、信じて、待っていた。

 という話だったのではないかなって、思ったりした。
 その象徴が新劇場版における真希波・マリ・イラストリアスというキャラクター。

 

 ……で、なければ、いくらなんでも、あそこでマリが迎えに来たって感動がないでしょう。
 中身が空っぽのヒロインが主人公を助けに来たところで何の感慨があるものか。
 あるいは。そもそもそこで感動させる物語でもないのでしょう。

 虚実。

 

 虚構の中でのマリは虚構。

 冬月先生曰く「イスカリオテのマリア」。つまり、何だって???

 ゲンドウくんの計画は止める。なぜ???

 シンジのことは必ず迎えに行く。どうして???

 虚構には意味づけなんて必要ない。

 内心の描写なんて必要ない。

 

 駅のホーム。

 現実の中での彼女は現実。

 青年シンジと彼女だけがお互い手を触れあえる現実。

 

 虚構の中のマリが必ず迎え行くと約束するのは、現実の中の彼に、だれかそう口にして欲しいという願望があるからでしょう、と。

 だれかを、信じていいんだよ、と。

 そういう話なんじゃないかな、と。

 

 

以下、諸々

アスカ

 式波タイプ。だいたい理解した。
 でも、パンフ、インタビューの元アスカとはどゆこと…?
 海辺のシーン。旧劇のあれ。
 プラグスーツは新劇場版デザイン。
 スーツが朽ちてる……だけじゃなくて、サイズが合ってない感じ。
 背が伸びてる。
 何よりアップの顔付きが微妙に違う。
 心の中で「キャラデザ!!」と突っ込んでた。
 最初わかりにくかったけど、あれは、大人の顔付きだし、体付きだよね。

 

綾波

 ……いたんかい!!!!

 

アヤナミ(仮)

 おまじない。
 拾ったから返す。かわいいな。
 名付けと別れ。
 シンジの立ち直りが凄い。
 もう一悶着あるのかと思ったら一段飛ばしだった。
 この飛躍感は劇としては面白い。

 

カヲルくん

 Qがもうあれであれで。
 ひとりだけ優しさぶって見え隠れしてた傲慢さが。
 ちゃんと救済されて良かったねって。

 

ゲンドウ

 電車降りてくところが良かったと思います。背中。

 

冬月先生

 次のスパロボには碇司令と一緒にパイロット化でよろしくお願いしたいです。

 

トウジとヒカリ

 娘の名前はツバメ。
 そりゃそうよね。

 

ケンスケ

 『シン・』の中で一番好きかも。
 家出のエピソードを思い出した。
 距離感が良いよね。
 お人形コスも好き。

 

 

 アクションシーンが全然わかんなかったりとか、それらしい用語投げつけて解説する気はさらさらないとか、いろいろあるけれど、いろいろあって良いんじゃないかな。
 「さようなら~」の一連シーン、後半行くにつれ「お前らもやるんだ……」って思ったりもしたけど、良いんじゃないかな。
 良いんじゃないかな。


 個人的にマリは青年シンジが内的世界に呼び寄せた箱庭のデウス・エクス・マキナ説に辿り着けただけで充分かな。
 解釈間違ってたら、それは、それで。

 

 2回目観たい。

 BDは買う感じかな。